転職のお知らせ&モバイルメディア運営論。


唐突ですが、5/31付けでアルバイト期間を含め
3年間以上お世話になった会社を退職することになりました。

お世話になった方々、いままでありがとうございました!

6/1からは、PC&モバイルな会社の
PCメディア部門マネージャー代理として働くことになっています。


というわけで今後、多少モバイル業界から外れることになり、
忙しくなることも予想されますので、
先に更新停滞のお知らせをしておくことにします。

読者の方も増えてきたところなので、残念で仕方ありません・・
暇を見つけて、たまに更新できればいいなぁとは思っています。


まぁ滅多にない機会ですので、
ついでに自己紹介とか、今までモバイルでやってきたこととか、
モバイルメディア運営の考え方についてとか書いていこうと思います。

今までのモバイルな仕事内容について


肩書きは、広告代理店のメディア部門リーダーでした。

会社の本業が広告屋さんな分、
利益率が高いから美味しいよねっていう部署です。


私が主に担当してきたのは、
いわゆるモバイル勝手サイトの企画・運営。

なんだかんだで数十サイトの運営に携わったのかな?
着うた、動画等のコンテンツ系インセンティブの対象とした、
ポイントサイトがメインでした。

コストを最小限に抑えて、利率の調整さえうまくいければ、
後はプロモーション・広告管理さえ怠らなければよく回ってくれる、
というかんじです。

製作の人間を含めても、実質2.3人規模で運営していました。
社内には営業の人間が多いので、数少ない私服組。

転職の動機


モバイルって技術力がなくても利益を出せてしまう、
というのが転職の要因になっています。

会社にお世話になっている以上、
必要最低限以上の物品や知識というのは、
自分で補わなければいけないと、個人的には思っています。

というときに、プログラミング知識やデザイン知識というものは、
実はモバイルでは、ある売上ラインまで必須でなかったりします。

もちろん製作部門の人間に最低限の依頼はしていましたが、
極論、マンパワーでどうにかなるのがモバイルです。
(自社内完結のメディアなら。)

元々、その簡易さに魅力を感じ、この業界に足を踏み入れたわけですが、
あるレベル以上のものを作りたい、
というときにはどうしても技術力が必要になってきます。

ただ、そのお勉強というのは、
モバイル専門会社にいる限り「必須」ではない、と。

私は元々自分に甘い性質なので、
必須でないなら真面目に勉強しない可能性が高いです。笑

そうなると、そもそも技術力がないと食っていけない環境に
自分の身をゆだねなければならないわけで。

今の会社はあくまで代理店であり、あくまでモバイルの会社です。

そう考えたとき、転職という選択をすることとなりました。

モバイルなメディア運営についてgdgd


自分が今の会社に残る、ということを前提にしたとき、
今後必要なものは以下の三つだと思っています。
  • 目に見える優良商品(デジタルコンテンツ・物販..etc)
  • モバイル専用システム構築
  • 分析体制の整備

至極普通のことを書いているんでしょうか。
なんだろう。当たり前なんだけど、
当たり前のものが揃っていない会社が多いってことだと思います。

目に見える優良商品(デジタルコンテンツ・物販..etc)

結局はコンテンツを持つサイトが一番力を持っています。

過去運営していたサイトの話ですが、
文章onlyの情報サイトにコンテンツを置いたら、
一ヵ月後、PV10倍になったのはいい思い出。


えーと、で、コンテンツを持つ強みというのは、下の2つのどちらか。
1.(コンテンツ無料サイトの場合特に)ユーザーのリピート率が高い。
2.(コンテンツ有料サイトの場合)コンテンツを売る際、購買率が高い。

広告収益モデルのサイトの場合、「1.」が大事。
コンテンツ販売サイトの場合、「2.」が大事。

いや、当たり前に当たり前のことを書いているわけですが、
この業界、中身のないサイトがかなり多いのです。

実質中身のない公式占いサイトとかが、
世の中に溢れすぎているのですよ。

それでも年商数千万レベルまでは見えますが、
「億」って話になると難しいんだろうなぁと思います。

また今後モバイル参入企業が増えた際、まず起こることは広告費用の上昇なわけで、
「他の企業より高い広告費を出せるぐらい利率の高い商品を持つ。」
「無料でユーザーが集まるようなコンテンツを持つ。」のいずれかができないと辛いです。

もちろんSEOのような、費用があまりかからない戦略は多く残されていますが、
すでにPC業界でそのような戦略を行っている企業が参入してきたら、
モバイルだけだった会社の多くは、それに勝てないはずです。

そういった直近の未来を考えたとき、
コンテンツを持つっていうのが、一番安易な発想だなぁと。


モバイル専用システム構築

主にECサイトとかの場合ですかね。

モバイルECは伸びる伸びると、数年前から言われていますが、
期待されていたほどは伸びていないのが現状です。

で、なにが妨げになっているかというと、
システム部分の問題が大きいのではないかなと。

現行、モバイルでECをやりたいんだけど良いASPない?
って話になったとき、よく選ばれるのが、
元々PC用のECシステムをモバイル用に改造したものです。

これが得てしてひどい。笑

・決済システムが一部携帯に対応していない。(SSLとかの問題。)
・ページが重い。(PCページを無理やりモバイル用に変換している。)
・アクセス数等のデータ集計が仕様上ほぼできなかったりする。
・ユーザー導線がPCのまま。変更できない。
・大元のECシステムがリニューアルされた際、それに対応できない。
・各キャリアの仕様を踏まえた構成になっていない。(画像の表示とか、絵文字とか。)

なんてことが当たり前。

それに対して注文を出すと、
「カスタマイズ費用がかかります。」
の一言。

そうなったときに予算感が合わなくて、
プロジェクトがgdgdという流れに陥りがちです。


そもそもの話ですが、
現行モバイルの成功事例と挙げられているサイトのほとんどが、
モバイル専用の独自システムを開発しています。

ブラウザの仕様が違うのだから、それは当たり前。

とりあえずPC用に変換すればokでしょ、という発想は、
マクロな視点ではあっていますが、ミクロな視点では間違えています。


分析体制の整備

システムが絡むサイト製作の場合の注意点みたいなものですが、
「サイトの問題点がわからないことが問題」
という事態を起こさないことがかなり大切です。

サイトの問題分析の方法については下記記事で触れています。
モバイル大学セミナーに参加してみた。 - webの人 @ryryo

上の記事の、問題解決についての要点をまとめると、
・サイトの問題解決というのは、ユーザーが離脱してしまっているページを把握すること。
・&そのページを修正していくこと。
 ⇒例
 ・登録フォームでユーザーが離脱しているなら、登録フォームを改善する。
 ・ユーザーが商品詳細ページに行く前に離脱しているなら、
  トップページを改善する&検索機能を改善する&検索結果ページを改善する。
といったかんじ。

この「ユーザーが離脱してしまっているページを把握」する方法というのは、
・全ページにアクセス解析タグを仕込む
・それのページをグループ化する
・グループ間のユーザー遷移率を測定する
ということ。大雑把に言えばですけれど。

そのためには、
上のようなオーダーを事前にシステム屋に行うか、
MOBYLOG | 携帯 スマートフォン サイトのアクセス解析・効果測定

といった企業向けのモバイルアクセス解析を、
(できれば事前に)仕込んでもらう必要があります。

後から、「やっぱり追加して!」というのは、
追加コスト発生の元ですので、それでプロジェクトがgdgdになってしまうようであれば、
初期仕様の決定をしっかり行ったほうが、最終的にスピーディですよ、と。







私的モバイルメディアを今後うまく企画・運営していくポイントは、以上です。

我ながら視野の狭い見解だなぁとも思いますが、
細かい部分の積み重ねがメディア運営で一番大事なことだと、この3年間で感じました。

web業界という狭い業界の中でも、
さらに狭いモバイル業界しか体験していない若造の話ですが、
少しでも参考にしていただければと思います。

ではでは、今後モバイル業界で戦っていく方の成功をお祈りしております。(゚д゚)ノシ