「ビジュアルから伝えるリアリティ」。
これが僕がwebサイトを作る時に一番力を入れるポイントです。
ユーザーはwebサイトのビジュアルから、商品にリアリティを感じた際にだけ購買を起こす、という法則。
例えば昔、勝手携帯サイトのデザインを依頼する際は、「公式サイトっぽく、公式サイトっぽく。」と繰り返しデザイナーさんに伝えていました。
ポイントは「パッと見た時」の印象です。"理論"ではなく"感覚"として、「あ、公式サイトっぽい」と思わせること。その完成度が向上すればするほど、CVRも向上していきました。
それがなぜかと言うとまず前提として、公式サイト=優良なコンテンツが必ずある、という潜在的な思い込みがユーザーの頭の中には存在するわけです。
ここで大切なのは「公式サイト」とは何か、という定義。もちろん正しい定義は、各携帯キャリアが承認したサイト、になります。しかしユーザーからすればそんな定義は知ったこっちゃありません。
では何が定義になるかと言うと、「以前利用した公式サイトと雰囲気が似ているサイト」=「公式サイト」なのです。
携帯サイトにおいてユーザーは、「公式サイト」っぽい雰囲気を感じ取ると、コンテンツの存在にリアリティを感じると。そしてその結果、コンテンツを購入してくれます。
webサイトの話から外れると、最近こんなTV番組の特集を目にしました。とあるデパ地下のようなケーキ販売コーナーの話です。
片方のケーキ屋さんには行列ができていますと。しかしもう片方のケーキ屋さんにはまったく行列ができていませんと。かといって行列ができている方のお店が元々超有名なケーキ屋さん、というわけではないようです。
では何が違ったのかというと、それは「ショーウインドウでのケーキの魅せ方」。
行列のできるお店は、ショーウインドウに本物のケーキを出していました。一方行列のできないお店は、パッケージ写真が貼ってあるケーキの箱を並べていました。それだけの違いだけなのに、前者のお店にばかりお客さんが集まっていたそうです。
そこで、後者のケーキ屋さんも同じく、ショーケースに本物のケーキを出した結果、お客さんが集まってきた、という話でした。
これも結局はどちらのお店のほうが、商品が実在するというリアリティを伝えることができているか、という話だと思うのです。
中身があるない、美味しそう美味しくなさそう、の前に、商品を"感じる"ことが大事だということです。
そんなことから考えていくと、いまwebサイトでCVRを高めるためのテクニックというのも、すべてリアリティを向上させるための施策に見えてきます。
例えば、
- 「電話番号をサイト上に記載すると良い」
- 「運営担当者の顔写真をサイト上に掲載すると良い」
- 「Pマークを掲載するとよい」
といったテクニック。
これらのテクニックは一般的に「安心感が出るから」CVRが向上する、言われています。
でも僕個人としては、その言葉に違和感を感じており、正しくは「リアリティが出るから」CVRが向上するのだと思っています。
それら情報を載せることにより、「本当にお店が存在するんだろうなぁ」というリアリティをユーザーに伝えることができているということです。
そもそも無名のサービスがweb上で安心感なぞ与えられるはずがありません。だから、本当にそのサービスが存在するっぽいというリアリティが与えられるかどうかが一番大事だと思うのですよね。
まぁそんなこんなで、リアリティを与えることを追求していくと
こんなサイトが最終的に作れるようになるわけですね。(キリッ